テラノハ

言葉は涙だ。とベケットは言った。

今日の媚、完売につき

今日の媚、売り切れにつき閉店します。

そう言えたら完全閉店せずに済んだ瞬間が、何回かあった。

八方美人と馬鹿にされようが、周りが喜んでいると嬉しくなるタチの僕はいつもいつも頑張りすぎている。
八方美人に引いてる人にも美人でいたくて頑張りすぎるとかなりまずいことになる。なった。

媚びてたつもりは微塵もなかったけど、人から好かれないと埋まらない空洞から目を逸らすには誰かにありがとうを言ってもらわないとムリだった。

出来るだけ同期に、なるべく先輩に、もちろん後輩に。
円滑なコミュニケーションのために自分の心身の目減りは勘定に入れずに生きてみるとしんどいながらも「ここにいていい」と言われてる気がした。
気がしただけで十分なのに、言葉がほしくてたまらず、なにも言われないと「ここにおらんでいい」も言われてる気がして思考が夜になる。

東京で憧れた先輩は、僕の何倍もすごくて眩しくてその眩しさに近づきたくて、近づいてみると先輩は他人に媚を売るエネルギーを全部自分のために使う人で結局そのOSがインストール出来なかった僕は憧れに身を焼かれて死んだ。


だからなんだという話。
今日も生きるだけで精一杯。またいつかあの人の笑顔に会いたい。今は無理だけど。