テラノハ

言葉は涙だ。とベケットは言った。

ソナチネとか

連日雨です。台風が来るそうです。

アウトレイジ最終章』を見てTwitterみてたら『ソナチネ』に似てるという話を見かけたのでソナチネを見ました。
北野武映画はアウトレイジシリーズと座頭市とキッズリターンと監督ばんざいくらいしか見てなかったので今回は『その男、凶暴につき』と『ソナチネ』を借りました。

『その男』は北野武第1回監督作品。
刑事さんの話。若い頃の武は本当にイケメンとも違う男前とも違う、でも視線を惹き付ける魅力のある面構えをしており、凄いなと思います。背だって高くないし、目鼻立ちも涼しい訳じゃないのに妙に見入ってしまう。
ほんで『ソナチネ』はヤクザが沖縄にいくお話。
言われてみれば『アウトレイジ最終章』に似てるというのもわかる。海辺で舎弟と遊んでる、組同士の諍いが段々ややこしくなるなど。
でも一人の監督が作る映画なんだから基本的に似るのは当たり前な気もします。
『最終章』はアウトレイジにしては大人しいところあったけど、作品の空気としては相応しかったと思うし。

そう『ソナチネ』がとても美しかったという話がしたかったんだ。
撮影柳島克己、音楽久石譲という北野映画っぽいスタッフになっているので冒頭いきなり流れるメインテーマがものすごく久石譲。軽めの音が反復されていくやつ。ちょっと音楽が饒舌すぎるのでは?というくらい久石譲が香る。『アウトレイジ』とかの鈴木慶一はあんまりでしゃばらないけどノイズっぽくて画調にはあってる。
ソナチネ』はどこか夢っぽいというか浮遊感、非現実感があってそれはヤクザが沖縄に抗争の助っ人にいったのにすることなくて砂浜で遊んでるからかもしれない。寺島進勝村政信が拳銃使ってキャッキャいったり、兄貴分の大杉漣も混じったり。特に夜、ロケット花火を打ち合うシーンは青い画面に白い煙がたなびいて、花火がプシューパチーと輝いて、武が拳銃をパンパン撃ってとはしゃいでる感じがよく出てて好きだった。いい映画は風の表現がうまいと常々思うが、このシーンはまさにそうだなと思った。
沖縄だし自然は色鮮やか、舎弟たちも柄シャツを来てるのに武だけがずっと白いシャツなのが幽霊みたいだった。永遠に遊んでいたいのに鳴ってしまう5時の鐘というか、二学期の始業式というか。そういう感傷を誘う映画だった。
町山さんがいってたから意識してみたらやっぱりどこか破滅願望のある人というか消滅願望がすごいなと思う。それが凄くさびしくもあり凄みもある。テレビという賑やかな世界にいるのにずっと空虚なものを抱えてるんだろうかなどと思った。
一番よかったのは『ソナチネ』も90分ちょい『その男、』も『最終章』も100分ちょいしかないということに気づいたことである。
元が芸人だから撮影も1回勝負という話もきいたことあるが、瞬発力があるからダラダラ続けないというのがとても凄い。自分で脚本、編集、監督するとなると自分語りを3回やるみたいになってあれも言いたい、これも言いたいになりそうなのに『その男』も『ソナチネ』もあんまり喋らないのが凄い。『アウトレイジ』は逆で喋るだけ喋っても面白いから凄い。
『キッズリターン』は3月に見たからってのもあるけど妙に春の終わりの空気があって『ソナチネ』は夏の終わりって感じ。
まぁなんというか北野武恐るべしと改めて思いました。

あと最近『地獄のバスターズ』と『特攻大作戦』という戦争映画を見たんですけどどっちも面白かった。タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』が元々好きなんだけどその元ネタになった映画です。
『地獄の』は刑務所送りになる途中の軍人たちがひょんなことからナチスを潰す作戦をすることになって〜みたいな。大筋だけはイングロリアス・バスターズに似てるけど中身はぜんぜん違った。あと吹替が玄田哲章大塚芳忠大塚明夫だったのも嬉しかった。
特攻大作戦』は死刑囚12人を特赦と引換に特殊作戦に従事させる話で、ほぼROOKIESです。担任の先生と荒くれ者の不良共との青春スポ根。リクルート&トレーニング&バトルという『七人の侍』と同じ仕組みなので面白くない訳が無いんだけどとても面白い。『13人の刺客』の方が近いかもしれんけど。
偉いのは過去パートがないことで、悲しい過去とか描かずに現在の時間の中でキャラを描いてること。『スーサイド・スクワッド』、お前に言ってるんだぞ。

あと全然話変わるんですけど
僕が出られなかった舞台の写真がとてもみんなかっこいいです。
文学座附属演劇研究所ブログ更新。「2017年度研修科発表会『ペンテコスト』舞台写真」
https://ameblo.jp/bungakuzakenkyujyo/entry-12321436489.html

みんなも『ソナチネ』を見て夏の終わりを味わいましょう。台風に気をつけてください。