テラノハ

言葉は涙だ。とベケットは言った。

2017-08-26の関ヶ原

今日は曇り。涼しくて過ごしやすい。

原田眞人監督の『関ヶ原』を見にいった。
二年前の『日本のいちばん長い日』が好きで、観客に優しくしない早口セリフの応酬と男の意地のどうしようもなさをやってくれると妙に心を打たれてしまう。
去年は『シン・ゴジラ』がおじさんたちの早口映画として君臨したが、それを十八番にする原田監督の新作である。
製作決定した時から(関ヶ原とか出来んのか??)(でも面白そう)と期待していた。
好きなところも嫌いなところも結構あった。
歴史もののいいところはキャラの説明に時間を割かなくてもある程度バックボーンを観客が共有してくれている点で、のわりに関ヶ原の開戦からではなくて、三成と秀吉の出会い、あの有名な三献茶の逸話をやるあたり、おおーと思った。秀吉の尾張弁がすごく好き。北政所尾張弁も好き。
ただ『三成のいちばん長い日』をやろうとしてもテンポが単調で、「〇年後」のキャプションで飛んだり原作朗読ナレで説明したりするのはあまり好きじゃない。『日本のいちばん長い日』のドキュメンタリー的緊迫感がわりと好きだったので、ナレーションを聞くとふっと現実に引き戻された。
キャラ立ちという意味では各キャラ素晴らしかった。
ゾッコン一辺倒の三成、歴戦の猛者感半端ない左近、我らが大場さんの佇まいが静謐でいて苛烈な刑部、台詞回しの拙さ含めて情けなさ極まる小早川秀秋老いさらばえる『シグルイ』の虎眼先生みたいな秀吉、明らかに常人ではない島津惟新、どうみても輩な七人党、振り回される直政、老獪な正信(いちばん長い日の放送局総裁の人やった)。
忘れてはならない赤耳、蛇白、初芽の忍びたち。
忍びたちさぁ!!!もっと生かし方あったやろ!!!
赤耳の中嶋しゅうさんは『いちばん長い日』で東條英機をやってて、雰囲気ある俳優さんだなーと思ってたら先日お亡くなりになってびっくりした。赤耳の顔つきの土臭さと手練感がすごく中2心をくすぐる。
蛇白のなりあがり魂はよかった。
初芽というラブロマンス要員のせいで出てくる度に戦のボルテージが下がった。有村架純はかわいい。
見てる間ずっと『ローグ・ワン』のことを考えていた。あれも結末のわかった戦いではあるけどたしかに意義ある戦いをしてくれて熱かった。
関ヶ原』は関ヶ原に至るまでの謀略合戦が楽しかったりしたが、開戦してからがすごく勿体なかった。
スポーツ中継を見てるみたいな感じで、気合の入った迫力は感じるのだが僕はぶつかり合う人と人でななくて、戦が進行するのを見たかった。
死にざまの美学が薄くて、左近も刑部もすすすっと終わっていく。左近よりも他の人の方がおいしい散りざまだった。もっと三成と左近と刑部のブロマンスを見たかったよ。
ロケーションとか衣装とか気合入ってて好きだった。
なんかこうまだ書きたい気もするがそれがなんなのかわかんない。ぼくの好きな監督がぼくの好きな題材で撮った映画なのに合わなくて悔しいのかもしれん。合わないわけじゃなくてなんというかもっと見せてほしいとこあるのに~てかんじ。
キャシアンが三成で、ジンが初芽で、チアルートが刑部、ベイズが左近、ボーディーが金吾で~みたいなのをぼーっと妄想してしまう。
ローグ・ワン見たくなってきたなー。