テラノハ

言葉は涙だ。とベケットは言った。

6月に見た映画ベスト3《映画館篇&家で見た篇》

6月はあんまり映画館に行かず従ってベスト3を選出するほど見られていません。
ベストはもちろん『LOGAN』です。
ヒュー・ジャックマンという俳優が17年演じてきたキャラクターの最後を演じることの時間の流れがあまりに重たい。どんな特殊メイクやVFXもかなわない17年分の生きざまというスペシャルエフェクトに泣きます。
フィクションはフィクションなんだけど、お話のファンタジーさが抑えられたせいでスーパーヒーローならなんとかしてくれるだろう……みたいな淡い期待がすり潰されます。R15になったから血もドバドバでるし、人体もスパスパ破壊されます。
不器用なおっさんと不愛想な少女とボケたじいさんというトリオの旅路がたまらなく好きでした。そこだけずっと見ていたかった。

続きまして《家で見た篇》。
1.ホーリー・マウンテン
アレハンドロ・ホドロフスキー監督、1973年)
6月は『ホドロフスキーのDUNE』を見返してやおらホドロフスキー愛が高まり、監督作を順に見ました。『エル・トポ』『サンタサングレ』もホドロフスキーらしいどぎつさとシンプルさがよかったですが、今作が一番色味も物量も構図もお話も好きでした。意味わからんといえばわからんのだけど、浴びるように見るのはそれなりに心地よくもあり、なんかよくわからんけど好きだなーという気持ちになる作品でした。

2.『遠い空の向こうに
ジョー・ジョンストン監督、1999年)
『Hidden figures』という作品の邦題騒動の時にTwitterでオススメされた実話もの。
僕は田舎からの脱出というテーマに弱く『シングストリート』も『君の名は。』も『モアナ』もなんかそういうところに強く惹かれてしまう。自分がどうにかして故郷の島を抜け出さなくちゃと思い続け、いまはなんの因果か東京で暮らしていることを思い、劇中の登場人物にいちいち投影してしまう。
今作は父や兄とも違う道を見つけられた青年の話で、学問のよさを描いているという意味でもぜひ学生のうちに見てほしい。スプートニクというソ連の宇宙船が夜空を横切ったのを目撃してロケット開発を志す青年たちの青春。リクルートとトレーニングというのも好きな映画の要素なんだけどそこもちゃんとあるのが好き。

3.ドライヴ
ニコラス・ウィンディング・レフン監督、2011年)
今をときめくライアン・ゴズリングと仲良し変態監督レフンの出世作
見よう見ようとしつつタイミングを逃してきたけどやっと。
タクシードライバー』とか『ナイトクローラー』とか孤独な男と車と都会というのは絵になるけど、今作は絵になる男ごずりんとキャリー・マリガン演ずる人妻の淡いご近所付き合いもあってキュンキュンする。
派手さはあるけど無駄がないというか、センスはあるけど見せびらかさない貞淑さが憎い。音楽も映像もかっこいいし、ごずりんがやることなすこと絵になるのでずるい。劇中のキャラになりたいと思えるのはいい映画なので、サソリブルゾンをきて楊枝をくわえたくなったということはいい映画である。
暴力描写も容赦ないのでとてもすっきり。
ぼくも嫌なことがあったらネイルハンマーで手を砕いたり、エレベーターでキスをしてから追手を足蹴にしようと思う。
キャリー・マリガンのキュートさというか俺が守らなきゃ感が凄まじいのでそんなん好きになるわボケェという感じ。

《まとめ》
ホドロフスキーを見終えて影響を受けたレフンに行くという感じ。『LOGAN』しかり父親が出てくる映画を見て父の日を感じた。