テラノハ

言葉は涙だ。とベケットは言った。

みちばたのカラス

今日の散歩の途中、カラスのヒナを見た。

羽が生え変わる途中のようで半分くらいは大人の羽で光ってるのに、胸のあたりはうぶ毛でフワフワしている。目はキョトンと丸くて小さい。今にも潰れてしまいそうなのに、どうしてこんなとこにいるんだい、と思った。どこかから落ちてきたのだろうか。
親子連れが心配して周りを取り囲んでいる。僕は一瞥しただけでカラスのヒナの中途半端なグロテスクさが怖くて足早に過ぎ去った。
大人でもなければ、子どもにも戻れない。
強く生きていかなくちゃいけないのに、巣立ちのタイミングが早すぎるヒナ。

自己を投影するのも気味が悪くてやめる。
僕はヒナではないし、カラスでもない。
帰り道に同じ道を通りかかるとヒナは消えていた。

生きていけるといいな、と思う。
空とか飛べるといいな、と思う。
ちゃんと食べていけよ、と思う。