テラノハ

言葉は涙だ。とベケットは言った。

明けない夜とか

明けない夜はない
としたり顔で言うやつがきらいだ。
やまない雨はない、とか冬はやがて春になるよ、とか。

真っ只中で当事者がいうセリフではなくて喉元をすぎた外野がいうことが多いので困る。

そもそも夜は明けるために設定されているわけではないし、雨は降るものだし、春は勝手に来る。
だから夜や雨や冬を悲しむ必要は無い。

何が言いたいかと言うと寝られないまま白みはじめた空は悲しいくらいにしずかできれいだ。
ペールトーンの青色。生気のない、素人じみた青色。

眠りはある種の死であって、生活はある種の死によって分断され、分断されることでその日を生まれ変わって迎えることが出来る。
何が言いたいかと言うと僕は眠るべき時間に眠れないから、死にかけというか、起きてるだけで生きてもいないし、休んでるけど眠っていないこの中途半端な時間がひどく苦しい。
苦しいのに1人だから映画を見るか本を読むか音楽を聴くんだけど、それによって癒されるのは少しの孤独だけで眠気はどこかへ行ってしまう。

やがて諦めきれない夢を諦めた30代男性みたいな、やるせない眠りにつく。

眠れなくて朝になると、こんな文章を書いてしまうので、やはり夜は寝るに限る。