テラノハ

言葉は涙だ。とベケットは言った。

2017-04-25の戯言

僕は一艘の舟である。

たとえ順風に帆を張れぬとてオールもて漕いでゆく。
たとえオールが折れても舵を頼りに渡っていく。
たとえ舵が絶えても潮に任せて流れていく。

舟とは海原にこそ存在理由をもつ。
ある地点から別の地点の間をなんらかの水が隔てている時、舟は移動手段として開発される。

あるいは港に碇を下ろして出番を待つこともあろう。
たとえ待ち受ける海原に怒濤があり、嵐があろうと微笑んでみせる。
安全な港の舫は解かれたのだ。
波に対して横腹を晒してはならない。
波は呑まれるものではなく乗りこなすものである。

風の中に、雨の中に、空との接線上を任意の速さで移動していく。
僕は一艘の舟である。